「軽自動車」と一言でいっても、その中には「軽乗用車」と「軽貨物車」といった用途による分類があるのをご存じでしょうか?外見は似ていても、法律上の区分や使い方、税金などに大きな違いがあります。
今回は軽貨物車の特徴を中心に、乗用車との違いやトラック・運転手の視点から見た豆知識などをご紹介します。
これから軽貨物ドライバーを目指す方や、車の買い替えを検討している方はぜひチェックしてみてください。
軽貨物車と乗用車は何が違う?
まず、軽自動車とは、「排気量660cc以下・車両サイズが一定以下」という条件を満たす小型車を指します。
その中で「軽乗用車」と「軽貨物車」に分かれるのですが、この2つには以下のような違いがあります。
① 用途と構造
軽乗用車は、あくまで人を運ぶことが目的。シートは4~5席あり、快適性や見た目も重視されます。
一方で軽貨物車は、荷物を運ぶことが主目的。座席は2人乗りまたは4人乗りが一般的で、後部スペースは荷室になっており、「軽バン」「軽トラック」などがこれに該当します。
とくに軽トラックは荷台が完全に開放されているため、農業・工事・運送などの幅広い現場で活躍します。
② 登録区分とナンバープレート
ナンバープレートの色でも、以下のように用途の違いがわかります。
- 軽乗用車(自家用):黄色地に黒文字(例:580 あ 12-34)
- 軽貨物車(自家用):黒地に黄色文字(例:480 あ 12-34)
- 軽貨物車(事業用):緑地に白文字(通称:緑ナンバー)
軽貨物車は「事業用登録」も可能で、営業用ナンバー(緑ナンバー)を取得すれば配送業務などの営業活動に使用できます。
トラックドライバー視点で見る軽貨物の魅力
軽貨物車は「トラック」の一種でありながら、コンパクトで扱いやすく、狭い道や住宅街でもスムーズに走行できます。
燃費が良く、車両価格・税金・保険料といった維持費も抑えられるため、コストパフォーマンスに優れた車種として個人事業主のドライバーにも人気です。
例えば、軽トラックなら自動車税は年間5,000円程度(※2025年時点)と非常に経済的です。
また、EC需要の拡大により軽貨物ドライバーは宅配便の「ラストワンマイル」を担う重要な存在に。普通自動車免許があれば運転可能で、開業コストも比較的低く、副業やスキマ時間での稼働にも適しているそうです。
知っておくと役立つ軽貨物の豆知識!
ここでは、ドライバーに役立つ軽貨物車の豆知識をご紹介します。
車検のタイミングが異なる
- 軽乗用車:初回は3年目、以降は2年ごとに車検が必要
- 軽貨物車:初回から2年目に車検があり、その後も2年ごと
「車検が早いから損」と思われがちですが、軽貨物車の整備項目はシンプルで、車検費用は比較的抑えやすい傾向にあります。
自動車保険の違いにも注意
軽貨物車は業務で使用されることが多いため、任意保険の内容も軽乗用車とは異なります。
- 業務用か自家用かで保険料が変わる
- 配送中の貨物補償特約なども検討が必要
上記のように、用途に応じて保険の条件や補償内容をしっかり見直しましょう。
まとめ
軽貨物車は、トラックとしての機能性と軽自動車ならではの経済性を兼ね備えた車両です。乗用車より維持費が安く、構造もシンプルなため、配送などの仕事にも適しており需要は年々高まっています。
- 仕事や副業を目的にするなら軽貨物車
- 日常の移動やファミリー用途なら軽乗用車
軽貨物ドライバーを目指す方や、新たに軽貨物車を購入する方にとって、今回の情報が判断材料になれば幸いです。