
長時間の運転を続けていると、体のあちこちが重く感じたり、集中力が途切れたりすることはありませんか?
そんなドライバーさんに気をつけてほしいのが「ロングドライブ症候群」です。
これは、長距離運転を続けることで起こる身体的・精神的な不調の総称で、軽く見ていると事故や健康被害にもつながりかねません。
今回は、ロングドライブ症候群を防ぐために実践できる疲労対策を5つご紹介します。
ロングドライブ症候群とは?
「ロングドライブ症候群」とは、長時間の運転によって頭痛やめまい、吐き気などの体調不良が引き起こされている状態を指します。
これは車の運転に限らず、同じ姿勢を長く続ける環境でも発生しやすいです。
また、似た症状を持つ「エコノミークラス症候群」は、血流の滞りにより血栓が生じることで起こる重篤な疾患ですが、ロングドライブ症候群も放置すると血行不良が進み、同様のリスクにつながる可能性があるでしょう。
運転前~運転後にできる疲労対策5選
ここからは、ドライバーが今すぐできる疲労対策をご紹介します。
ご自身の健康と安全運転のために、ぜひ参考にしてみてください。
①1~2時間ごとの「ミニ休憩」を習慣にする
走行距離を稼ぐことを優先しがちですが、疲労をためないためには定期的な休憩が欠かせません。 理想は1~2時間に一度、10~15分の小休憩です。
また、休憩時は車外に出て軽く体を伸ばす・肩を回す・深呼吸をするなど、筋肉と呼吸をリセットさせる動きを心がけてください。
高速のPA・SAを休憩ポイントに決めておくのがおすすめです。
②シートポジションと姿勢を見直す
長距離ドライバーに多い悩みが「腰痛」。 原因の多くは、シートの位置や姿勢の悪さにあります。
背もたれは少し後ろに倒し、背中がしっかり密着する角度で。お尻をシートの奥まで入れ、ハンドルとの距離は腕が軽く曲がるくらいがベストです。
最近ではトラック用の「腰サポートクッション」も多く販売されているので、自分の体に合うものを選ぶと良いでしょう。
③水分補給と軽食で集中力をキープ
運転中は意外と汗をかくもの。水分不足になると血流が滞り、疲労感や眠気が増します。
カフェインの取りすぎには注意しつつ、常温の水やお茶をこまめに摂取しましょう。
また、食事の取り方もポイントです。 満腹になると眠気を誘うため、軽めの食事をこまめに取るのがおすすめ。ナッツやバナナなど、エネルギー補給に優れた軽食を常備しておくと安心です。
④目と脳を休ませる「マイクロスリープ」
眠気を感じたまま運転し続けるのは非常に危険です。5~10分の仮眠(マイクロスリープ)を取りましょう。
短時間でも脳がリセットされ、判断力や集中力が大きく回復します。
また、仮眠前にコーヒーを一杯飲んでおくと、カフェインが効き始める頃(約20分後)にすっきり目覚められるので効果的です。
⑤運転後の「リカバリー習慣」をつくる
運転後のケアも重要。 軽いストレッチや入浴で筋肉をほぐすことで、翌日に疲れを残しません。
特にふくらはぎのマッサージやストレッチは血流を促進し、足のむくみ解消に効果的。
また、睡眠の質を高めることも回復には欠かせません。 寝る前のスマートフォンを控え、照明を落としてリラックスできる環境を整えましょう。
まとめ
長距離運転は体力と集中力の勝負。 だからこそ、「休むこと=サボること」ではなく、「安全に走り続けるためのメンテナンス」と考える姿勢が大切です。
長時間運転が引き起こすロングドライブ症候群を防ぐには、「無理をしない・こまめに動く・しっかり休む」の3つが基本。
体調管理がしっかりできるドライバーこそ、信頼されるプロドライバーへの第一歩です。