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トラックドライバーの「荷待ち時間」は「労働時間」になる?

トラックドライバーの労働環境に悪影響を及ぼしやすく、物流業界の効率を低下させているのが「荷待ち時間」の問題です。

そこで今回は、トラックドライバーに「荷待ち時間」が発生してしまう原因をはじめ、そもそもこの「荷待ち時間」が労働時間にあたるのかどうかについても解説してまいります。

トラックドライバーに「荷待ち時間」が発生する原因

物流拠点での入出荷時刻はあらかじめ指定されるのが一般的ですが、ドライバーや配送予定の都合により、やむを得ず指定時刻前に到着する場合があります。

また、物流拠点の都合で荷待ちが発生することもあるのが現状です。

具体的に、荷待ち時間が発生する主な原因として挙げられるものを以下にまとめます。

  • 同時期にトラックが集中する
  • 交通状況や天候が到着時間に影響する
  • 入出荷作業が遅延する
  • 入出荷計画に無理がある(計画不足/時間不足/人手不足など)
  • 入出荷作業に制約がある(作業場が狭い/使用機器が少ないなど)
  • 複数の管轄部門があると即対応できない
  • 荷主の認識や配慮が足りない

トラックドライバーの「荷待ち時間」は「労働時間」に含まれる?

厚生労働省ガイドラインによると、「労働時間」は使用者の指揮命令下に置かれている時間を指します。

そしてトラックドライバーの「荷待ち時間」は、業務の開始に備えてその場から自由に離れられないケースが多いため、原則として労働時間に該当します。

また、「労働時間」と「休憩時間」の合計を指す「拘束時間」は近年大きく見直されています。

2024年4月から新規制がスタートし、トラックドライバーの拘束時間には以下のように上限が決められています。

  • 1か月284時間以内
  • 1日原則13時間以内(最大15時間、週2回まで)
  • 1年3300時間以内

▶︎参考:

厚生労働省「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」(令和6年)

厚生労働省「トラックドライバーの新しい労働時間規制」(令和6年)

荷待ち時間問題の現状

国土交通省が実施した2024年度の調査結果によると、1回の運行あたりの平均荷待ち時間は1時間28分。2020年度の調査では1時間29分であり、ほぼ横ばいの状況です。

▶︎参考:

国土交通省「第17回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会 資料」(令和6年)

トラックドライバーが物流拠点で荷待ちする間は、本来の運送業務に充てられない時間であり、生産性の低下要因に結びつきます。

ドライバーの労働環境悪化や運送会社の収益減少につながるだけでなく、物流費や商品価格の高騰を引き起こして業界のみならず日本経済に大きな影響を及ぼす可能性があるでしょう。

まとめ

トラックドライバーの「荷待ち時間」は休憩ではなく、「労働時間」と見なされます。

慢性的な「荷待ち時間」が大きな割合を占めてしまう場合、ドライバーの労働環境の劣化を引き起こすだけでなくさまざまな弊害が考えられるため、早急な対策が必要といえるでしょう。

今後も需要が高まり続ける業界で、ドライバーの拘束時間の負担をいち早く減らすためにも荷待ち時間の解消は重要な課題となるでしょう。